いろんな人がいる

 

この土日、休日出勤し、きのうの夕刻、少々疲れ気味ながら、
仕事のゲラ読みが思いのほか捗ったので、
気分上々で桜木町駅から電車に乗り込みました。
背中にリュック、両手にバッグ。
左手の布のバッグには、
秋田県昭和町教育委員会が発行している『石川文庫蔵書目録』、
それと、
平凡社の東洋文庫に入っている平川祐弘さん著
『マッテオ・リッチ伝』1・2・3。
「石川文庫」の石川は、
石川理紀之助さん。
明治の二宮尊徳、秋田の二宮尊徳、また「農聖」とよばれた方。
石川さんとマテオ・リッチさんでは、
関係なさそうですが、
あいだに、
宮崎安貞さん、明代中国の徐光啓さんをもってくると、
「かげひびき」としては、
うすくつながる。
窓外の夕陽に染まるビル群に目をやり、
深呼吸してから車内に目を戻すと、
二メートル、いや、
三メートルぐらいですかね、
若い女性が何やら口ずさんでいた。
声を出さずに歌っているようにも見えました。
と、
なるほどと納得!
車内に流れる英語のアナウンスに、口元がぴたりと合っています。
ひとつの芸を見ているようでした。
口元の動きは、
アナウンスと同時に終りましたから、
アナウンスの内容を暗記しているのかもしれません。
あるいは、
英語の前の日本語のアナウンス
を聴いて、
それを英語で言ったらどうなるかと予想して喋ってみた
ら、
ぴたりと一致、
なんてことがないわけではない
けれど…。
いろんな人がいるなぁ。

 

・木漏れ日の揺れてたはぶる五月かな  野衾