古典を読むのは

 

クラシックは、ラテン語のクラシクス(classicus)という単語に由来するが、
これは形容詞で、最初から「古典的」という意味があったのではない。
クラシクスは、
実は「艦隊」という意味を持つクラシス(classis)
という名詞から派生した形容詞なのである。
(今道友信『ダンテ『神曲』講義』みすず書房、2002年、p.5)

 

クラシスとはもともと「艦隊」という意味で、
クラシクスとは
国家に艦隊を寄付できるような、
そういう意味での愛国者でもあるし、財産も持っている人のことをさした言葉で、
そこから転じて、
人間の心の危機において本当に精神の力を与えてくれるような書物のこと
をクラシクスと言うようになったということである。
もちろん書物ばかりではなく、
絵画でも音楽でも演劇でも精神に偉大な力を与える芸術を、
一般にクラシクスと呼ぶようになったのである。
(同、p.6)

 

そうかぁ。
そんな気もなく古典を読んできたけど、
そういわれると、
なるほどと納得する部分もあります。
「退屈で退屈でしょーがないから一日中硯に向かって、
心に浮かんで来るどーでもいいことをタラタラと書きつけてると、
ワケ分かんない内にアブナクなってくんのなッ!」(橋本治『絵本徒然草』より)

 

・冬真中シンク滴の円きかな  野衾