発行年

 

あたらしく出た本を読むことも
あるにはありますが、
圧倒的にふるい本を読むことが多いいわけで。
じぶんの興味関心から
ネットで検索し
古書で求めていざ読もうとして、
いつ出た本なのだろうと興味が湧き、
ひょいと奥付を見れば、
たとえば
わたしが生まれた翌年だったりして、
へ~、
ものごころもつかない頃に、
わたしとは関係なくこんな本が出ていたのかと
ちょっと不思議な気がします。
わたしと関係なく出ていた本を、
還暦を過ぎてやっと手にして読むのは、
玉手箱を開けるようでもあり。
箱入りの本、
それもホチキス止めのものでなく
貼り箱(パーツを糊で接着した箱で、つくるのに手間がかかる)入りの本

箱を逆さに二三度振って本を取り出す
ときなど、
封じ込められていた時間が目の前で解凍されていくようで、
煙こそ出ませんが
出てもおかしくないぐらい。
紙に印刷された本は、
音楽が奏でられる土地のようなものかもしれません。

 

・凧(いかのぼり)物思(ものも)ふ空の青さかな  野衾