ちあきなおみ

 

 映画観て夢のシーンに夢うつつ

このごろ
『船村徹作品集 不滅の名曲~オリジナル歌手による~』
のCDにハマっています。
タイトルどおり、
船村徹がつくった曲を、
提供された歌手たちが歌った歌のなかから
選りすぐったものを集めたコンピレーションアルバムで、
春日八郎、美空ひばり、北島三郎、村田英雄、
ちあきなおみ、鳥羽一郎、大月みやこ、大下八郎、
青木光一、瀬川瑛子
が昭和のヒット曲を歌っています。
まさに演歌の共演。
スタジオ録音盤からと想像される
すばらしい歌ばかりで繰り返し聴いています。
とくに、
ちあきなおみの「紅とんぼ」には泣かされました。
新宿駅裏にある五年続いた「紅とんぼ」というスナックが
今日でおしまいという設定の歌で、
わずか数分の物語を切々と見事に演じきっています。
一番、二番、三番の歌詞の最後「想い出してね… 時々は」
のそれぞれのニュアンスのちがいに舌を巻きます。
メロディーがずっと頭のなかで鳴り続けています。
今さらながら、
ちあきなおみは凄い!
と思っていたら、
一九七一年四月三〇日発行の『アサヒグラフ』(定価一五〇円)に
ちあきなおみが載っていました。
その妖艶で、無防備で、
あどけない姿に吸い込まれていくようです。
しばらく、
金縛りのような状態になったあと、
溜息をついて撮影者の名前を見れば、
なんと、
われらが橋本照嵩さんではありませんか。
『瞽女』の橋本さんはちあきなおみも撮っていたのか。
は~。
芸人魂に魅せられたのかもしれません。

 大岡川大木からも若葉かな  野衾