Archives : 4月, 2010

慰労会

 

 去年より待ちし連休蜆汁

この三月四月と、刊行点数が
春風社始まって以来の記録を更新しましたので、
これを肴に一昨日、慰労会を行いました。
場所は、今年一月桜木町駅横にオープンした
ニュー魚バカ桜木町 活魚センター
魚バカというぐらいですから、
しかもニューまで付いていますから、
魚には相当うるさいのでしょう。
新鮮な魚をお出ししまっせー!!
の気合が店の名前に表れています。
刺身も煮魚もホタテ焼きも絶品でしたが、
とくにヤリイカの刺身は、
キラキラと身が透きとおっており、
見た目にも美しく、
とても美味しくいただきました。
大きさもかなりのもので、
頭のところは焼いてくれますから、
二人で行ったときなど、
他のものを頼まずに、
ヤリイカと飲み物だけで十分満足できるのではないでしょうか。
下の写真がその活ヤリイカ!
さて、昨日からの方もいらっしゃるでしょうが、
弊社は明日から連休に入ります。
リフレッシュし、
後半期に乗り出そうと思っています。
よろしくお願いします。

 楊枝もて奥をくるりと栄螺かな

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下見

 

 待ちきれぬ山菜採りの匍匐せり

このところ異常に寒い日が続いています。
これまでのたまった借りを返すように
夏日がありましたが、
一日あったきりで、またすぐに寒くなりました。
それは、非常に困ります。
なぜならば、
ゴールデンウィークに、
近所のひかりちゃん、りなちゃんたちと
山菜採りと魚釣りをしに秋田に行くからです。
これでは山菜が生えないじゃないか。
アブラハヤがちぢこまって泳がないじゃないか。
秋田の父から電話がありました。
「今日、ひまだがら、山を下見に行ってくる」
父も母も心待ちにしています。
夜、会社を出てからケータイで秋田に電話を入れました。
アイコ数本とイタドリを採ってきたのだとか。
やはり寒さが影響しているようです。
ただ、山菜は一日暖かければ音を立てて伸びますから、
わたしたちが行く日までには、
きっと採りごろ食べごろになっているでしょう。
(と思いたい)
待ちきれない山菜採りたちのクルマが四、五台
山道脇に停まっていたそうです。
アブラハヤは?
父は、それもちゃんと下見をしてきてくれました。
日陰になった水の下に潜んでいたアブラハヤが、
近づく父の振動を察知してササッと泳いだと。
釣竿は、仕事の合間を縫って弟が用意してくれます。
どんな出会いがあるか、たのしみ!

 賑わいを黒に染めゆく春驟雨

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似たもの同士

 

 霞立ち幼き叔父の紅き山

南伸坊さんと糸井重里さんの紀行対談集
『黄昏(たそがれ)』は、
くだらなくも、おもしろい本ですが、
そのなかに、
年をとるとめまいが起きてくることについての
考察があります。
伸坊さんがあるとき、めまいがしたので、
心配になって医者に行ったら、
めまいは加齢とともに起きる現象で、
耳の中の三半規管が影響していると言われたそうです。
それはわたしも学校で習ったので、
本を読みながら、ふむふむと納得しました。
ところで、その医者がさらに言うことに、
ひとの話を聞くとき、必要以上にうなずく人は、
めまいが起きやすいのだとか。
また、
髪の毛が長く、
目にかかった髪を首を振ってかきあげる人は、
めまいが起きやすい。
そういう珍しい知識を教えてくれた医者の頭に
毛はなかったそうです。
その話を読んだとき、
わたしはすぐに友人のI君を思い出しました。
I君は、ひとの話を聞くとき、
腕組みして、何度も大きくうなずきます。
そうすると、I君はもうすこし年をとると、
めまいが起きてくるのでしょうか。
でも、と、わたしはすぐに思い直しました。
というのは、
I君の頭は、除雪車で雪を払いのけたように、
頭の真ん中にツルツルの道ができていて、
髪の毛をかきあげる必要は、金輪際ありません。
ですから、
ひとの話にうなずくことでめまいにつながるマイナスを
ツルツル頭が相殺し、
I君はきっと年をとっても
めまいが起きてくる心配はないでしょう。
かく言うわたしも、
I君に負けず劣らず、ひとの話にうなずいたり、
相づちを打ったりすることが多いようです。
でも、わたしの頭も、I君同様、
長い毛が生えない頭ですから、
首を振って髪をかきあげる必要はありません。
I君の頭の毛が50本なら、
わたしの頭の毛は100本くらいでしょう。
ですから、二人は50本100本なのです。
50本100本…。
ちょっと自虐的ですが、
どこが可笑しいかというと、
二人とも禿げていますから、
五十歩百歩と言うべきところ、
風前の灯の髪の毛が数えるほどしかありませんので、
50本100本。あはははは…。
それはともかく、わたしもI君も、
ひとの話を聞くとき、うなずく回数を減らせば、
まず、めまいは起きないでしょう。
小椋佳さんの歌で「めまい」というのがありますが、
小椋さんも「めまい」の起きない頭です。

 春眠や車中窓外富士の峰

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差別化

 

 新緑やカレイの煮付けの香り好し

横浜駅で降り、とある書店へ行き、
久しぶりにゆっくり店内を見てきました。
あたりまえですが、
どこもかしこも新しい本が並び、
ちょっとそわそわしています。
わたしがそわそわして、
そう感じただけかもしれませんが。
そこへいくと、
岩波文庫とか平凡社の東洋文庫とか、
落ち着いてしっかりしています。
時の波に晒されても風化しない本たちが
威厳さえ湛えているようです。
T.E.ロレンスの奇書『知恵の七柱』(柏倉俊三訳)
もあります。
ふと、思いました。
つぎつぎ刊行される新刊を、
インターネット書店で購入することにして、
街の書店は新刊を置かないことにしてはどうだろうと。
古い本を分類し並べるには、
それなりの知識を必要とするはずですし、
並べ方によっては
かなり啓蒙的な役割を果すのではないでしょうか。
たったそれだけのことで、
ずいぶんユニークな本屋さんに
なると思うんだけどなぁ。
それとも、客が減って商売あがったりかな?

 遠霞祖母の登りて行くところ

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二季

 

 横須賀線春日の丘の湿りけり

桜の季節が終り、いよいよ新緑の季節かと思いきや、
気温はなかなかそうなってはくれず、
何十年ぶりかの雪が舞ったり、
かと思うと、いきなり夏日に滑り込んだりして、
体がついていきません。
このごろは、四季でなく二季になったみたい。
きのう、今日と、鶯が近くに来て鳴いています。
おかしいな、おかしいな、ほーほけきょ、
ほんとにおかしいな、ほーほけきょ、
とでも言っているようです。
五月は山菜シーズン、
天の神様お願いしますよ。

 屋根よりも低いじゃねーか鯉のぼり

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。