風景

 

 朧夜や障子に映る影ひとつ

マンションの理事会が終り
高速道路横の長い階段を上ったら、
満開に咲いた桜を見やる二人連れがいました。
ご夫婦でしょうか。
近づいてみると、
同じマンションの監事の方でした。
「速いですねー」
「ええ。バイクですから。
息子が孫を連れてここに迎えに来るんですよ」
「いつも主人がお世話になっています」
「いえいえ。こちらこそ」
Kさん、なんだか照れくさそう。でも、うれしそう。
Kさん、今度は桜を見上げています。
やがて、息子さんの車がやってきました。
「下の女の子が言うこと聞かなくてね。大変なんだ」
「宝物ですね」
「では、これで…」
「はい。失礼します」

 花曇り腕組み歩く高架下

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