法隆寺

 

 春寒の雨首筋にゾロリかな

今月末、秋田が生んだ「異端の劇作家」青江舜二郎の
傑作戯曲「法隆寺」を刊行します。
青江のご子息で映画監督の大嶋拓さんとご縁ができ、
とんとん拍子に話がすすんで、
実現の運びとなりました。
「秋田さきがけ新報」に掲載された
『出版は風まかせ』の書評を監督が読んでくださったことが、
そもそものご縁の始まりでした。
「法隆寺」は、
聖徳太子は毒殺されたのだったかもしれないという
ミステリー仕立ての戯曲で、青江の代表作です。
しかも単行本化は今回が初めて。
これがスコブル面白い! ワクワクします。
戯曲の王道! 登場人物たちが生きて動いています。
ちゃらっと軽く読める作品ではありませんが、
腰を据えて読むと、深い味わいがあり、
静かな勇気をもらえることに気づくでしょう。
一昨日「秋田さきがけ新報」に
「法隆寺」に関する拙稿が掲載されました。
コレです。
「法隆寺」の刊行にあたり、
戦前の秋田の土崎を舞台にした「河口」も併録しています。
こちらも青江の代表作。
方言が多く出てきて、
秋田の人以外は最初戸惑うかもしれませんが、
話の流れから、
ははぁ~、こんな意味なんだろうなと、
類推しながら読めるはずです。
わたしはまだ実物を見たことがありませんが、
電子書籍でチャチャッと読むのでなく、
休日、紙の本でじっくりこういうのを読むのも
いいのではないでしょうか。

 ザクザクとキムチ頬張る春の宵

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