Archives : 5月, 2010

休日の仕事

 

 壇上の児童まぶしき春祭り

どうしても進めておきたい仕事があり、
日曜日のきのう、九時前に出社しました。
会社には誰もいません。
この頃とっている地元の秋田魁新報を読んでから、
パソコン画面をにらみ、
インタビュー記事を直していきます。
進むこと進むこと!
昼までに、だいぶ捗りました。
部屋に鍵をかけ、ビルの外へ出て伸びをし、
それからいそいそと太宗庵へ。
「ちわー」と入ると、
入口近くに初老のお客さんが一人。
女将さんが、「あら、どうしたの?」と訊きますから、
「女将さんに会いたくてさ」など言い、
いつもの座敷に上がりこもうとしたら、
厨房から大将が、
「お、どうしたの? 日曜日だっていうのに?」と言うので、
「大将に会いたくってさ」と答えましたら、
お茶を運んできてくれた女将さんが、
それを聞きつけ、
「あら、そういうことね」と、
少々ご機嫌ななめな笑顔を見せてくれましたから、
「二枚舌はいけませんね」と申し上げると、
女将さん、首をコクンとまた笑顔。
こんな会話を楽しめるのも、
仕事が捗ったればこそのことで、
わたしは、いつものせいろ蕎麦とカレーうどんを頼みました。
ここに来ると、
どうしても蕎麦とうどんを一緒に食べたくなります。
お客さんで、お店がだんだん混雑してきました。
やがて、中年女性三人が座敷に上がりこんできて、
ぼくを取り囲むようにして座り、
一つしかない座敷のこととて、窮屈で、
身を縮めて食していましたら、
左頬の内側を噛んでしまい、
こんちくしょー! と自らを責め、
でも、何事もなかったかのように食事を終えました。
三人の女性のうちの一人が、
キンキンした声の持ち主でイラッとしましたが、
わたしが帰ろうとして、座敷を下りる時に、
「ありがとうございました」とキンキンした声で丁寧に
言ってくれましたので、
キンキン声も悪くないなと思い直しました。
会社に戻ってスパートをかけ、午後五時まで。
電話も鳴らず、平日の1.5倍ほど進んだでしょうか。
充実した一日でした。

 スポフェスの子等のびのびと五月かな

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この頃の天気

 

 傘置きてまた傘を買ふ五月かな

雨が降り続いてくれたら、
それはそれで、
梅雨だからなーと、あきらめもつきます。
この頃の天気は、こちらの行動をからかうように、
降ってみたり、晴れてみたり、降ってみたり、
また晴れてみたり…。
コノヤロー、いったい、どっちなんだと。
天気に文句言っても、仕方ありませんが。
きのうは、木曜日で、気功教室の日でした。
終って外へ出たら、雨。
あちゃーと思いましたが、
本降りでもないし、
というか、傘を持っていなかったので、
急いで駅に向かいました。
向かいながら、
保土ヶ谷の駅に着いたら、
タクシーで家まで帰ろうと考えました。
タクシーの1メーターよりビニール傘が安いわけですが、
なんとなく、買いたくない。
保土ヶ谷駅に着いて外を見たら、
行き交う人びとが傘を差していません。
お。止んだか!?
思わず、ニンマリしてしまいました。
タクシー乗り場に向かうことなく、
保土ヶ谷橋方面へ歩き始めました。
ナベちゃんのお店、明日、大丈夫かなー?
予約でいっぱいかなー?
などと、今日のことを考えながら歩いていると、
バチバチと、頭の上で音がするではありませんか。
パナマ帽に雨があたる音です。
チッキショー!!
切れそうになりました。
降るなら降る、降らないなら降らない。
どっちなんだ、こんちくしょーめ!
気功で穏やかになった心が、
天気のせいで、
あっという間に掻き乱されてしまいました。

 日と雨とあざなへるごと五月かな

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二度美味しい

 

 雉鳴くやふるさとの山遠くあり

食べ物の話ではありません。
きのうも引き続き、
『三島のジャンボさん Mr. グラウンドワーク』の
インタビューをまとめていました。
テープ起こしした原稿の枝葉を取り、
大きなうねりに向かって整理していくわけですが、
それをしながら、
楽しかったインタビューの時間が、
ありありと再現されてきます。
こちらの質問に対して、
ちょっと答えがずれていると思われる箇所があり、
何度もそこを読み返します。
そうすると、
話し手が質問をどうとらえたかが、だんだん見えてきます。
一つのエピソード、物語を通して
質問に答えてくれたことがよくわかります。
人を理解することの難しさ、醍醐味を感じさせられます。
二度美味しいと言いたくなる所以です。

 二日目も姿は見えず雉の声

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スポフェス

 

 スポフェスの腕振り一等りなぴかな

スポーツフェスティバル、略してスポフェス。
仲良くしている近所のりなちゃんが、
スポフェスで八十メートル走るというので、
短距離走のコツを教えました。
なんたって「みうらちゃん」は、
高校と大学で陸上部でしたから。
しかも短距離。
子どもたちが一所懸命がんばっている姿は感動的で、
加齢のせいか、見ているだけで、
すぐに涙腺がゆるんでしまいます。
秋田の両親は、
とくに趣味といって無い人たちですが、
わたしの弟が顧問をしている地元中学の
女子バスケットボールの試合を見にいくのが唯一趣味で、
先週は五城目、今週は山本郡、来週は田沢湖と、
小旅行を兼ね、おにぎりをもって出かけていきます。
練習試合は、授業のない土・日にやるようです。
応援に駆けつけて応援しながら、
逆にエネルギーをもらって帰るのでしょう。
スポフェスの日、晴れるといいなぁ。

 鍼灸院尻に針刺す五月かな

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先生の罪

 

 青々とミヤマイラクサ刺しにけり

グラウンドワークという、
イギリス発祥の活動があります。
行政と企業と地域の人びと、
それをつなぐNPOが一体となった取り組みで、
日本では、グラウンドワーク三島が先鞭をつけました。
その事務局長さんが、秋田出身の渡辺豊博さんです。
今、『三島のジャンボさん Mr.グラウンドワーク』という
本を編集していますが、これがすこぶる面白い!
渡辺さんが秋田にいたのは六歳までで、
父親が亡くなったのを機会に、
母のふるさとである三島に帰りました。
小学校に入ってから、
一年と二年のときの担任から、
「田舎者」「父親のいない子」と差別され、
母親が仕事で忙しく、渡辺さんは、
服をあまり着替えなかったそうですが、
担任の先生は、「豊博、お前、臭い!」と、たびたび言ったそうです。
渡辺さんの心は、だんだんねじれていきます。
わたしは、渡辺さんから直接その話をうかがい、
もらい泣きならぬ、もらい怒りで、
ワナワナと体が震えました。
小学二年のあるとき、体育の授業が終って教室に戻ると、
「財布がない!」と騒ぐ女の子がいました。
先生は、渡辺さんに向かい、証拠も何もないのに、
「豊博、お前がやったんだろう!」と言ったそうです。
財布を盗まれた女の子に訊くと、
どういうわけか、その子も、
「豊博君の動きがおかしかった」と答えました。
実はこれには裏があり、
ガキ大将だった豊博君をよく思わない別のグループの男の子が、
女の子を脅して、豊博君を陥れようとしたことでした。
渡辺少年がどうしたかといえば、
仲間を使って犯人を探し出し、ボコボコにしてやりました。
それだけでなく、
仲間とともに、川原の石を大量に集め、
バケツに入れて学校のそばに隠しておき、
一ヵ月後を期して、夜、校舎の窓ガラスを友だちと二人で
二時間かけ全部割ったそうです。
宿直の先生もいたそうですが、
渡辺さんの迫力に声をかけられなかったのだとか…。
渡辺さんがインタビューに答えておっしゃるには、
先生を許せなかった、個人的にどうということよりも、
教師として、人間として失格だろうと。
その通りと、わたしも思いました。
学校の窓ガラスを全部割るという行動に、
渡辺少年の深いかなしみが隠されていたと思います。
そんな事件もあって、
渡辺さんは、母親と一緒に、
亡くなった父の親族のいる石川県に行くことになります。
先生の仕事というのは、
良くも悪しくも、
子どもの心に深い印象を与えるものであることを、
この話から改めて考えさせられました。

 つぶすごと部屋の香清し山椒かな

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。