寝て穿く?

「前を行くひと、見てみなよ」と、わたし。
「え?」と、専務イシバシ。
「よく入ったと思ってさ。パッツパツだよ。あれ、ジーンズじゃなきゃ破れてるよきっと」
「そんなことないわ。わたしも若い頃は仰向けに寝てギュウギュウ詰めにして穿いてたもの」
「は!?」
「寝て穿くと入るものなの。お腹が凹むから」
「立ったままでお腹を凹ませればいいじゃないか」
「それではダメなの。仰向けに寝てグイグイねじ込ませるようにしたほうが入るものなの」
「そんなものかねぇ」
「そんなものよ」
「そうすると、あのひと、ほれ、前を行くあの人だよ。彼女もそうやって穿いたのかね」
「そうだと思うよ」
「寝て穿くねぇ?」
「そんな感心することじゃないわよ。女性なら誰だって経験あるはずだもの」
「そんなものかねぇ」
「そんなものよ」