新人二人

 今回の編集者募集で二人新しい仲間が増えた。入社早々、編集長ナイトウ(このたび、若頭ナイトウは、若頭からめでたく編集長に昇格。武家屋敷ノブコは社の質的向上と発展に伴い出版部長に)から校正の仕事を頼まれた二人は、顔を上げるのも惜しむように仕事に没頭している。そんなに持続的に集中してたらドライアイになっちまわないかとこっちが危惧するくらいに一所懸命だ。見ていて気持ちがいい。
 編集者本来の仕事に限らず、お茶の淹れ方から電話での応対、注文の取り方、梱包の仕方、発送の仕方、紙を真っ直ぐに切る切り方(そんな簡単なことをと思うかもしれないが、実際にやってみると、これがなかなか難しい。定規を当てることはだれでも知っている。問題は、定規を当てて「切る」と思って切っては失敗する場合が多いこと。定規を当てて紙を「撫でる」イメージで何度かカッターを真っ直ぐにスライドさせると、結果として紙がキレイに切れている)などなどキリがない。覚えなければならないことは山ほどある。頑張って欲しい!
 ところで、わたしも含め、長くいる者はこの新人二人から学ばなければならないとつくづく思うのだ。謙虚さ。そんな古めかしい精神論をと笑うなかれ。謙虚さを失うところに落とし穴があるのだぞ。失敗を招く。それもまた経験しなければわからないことと穿った言い方をしたらそれまでで、いま、せっかく学びの対象が目の前にいるから言っている。新人の姿から何を学ぶかということが、教える側にとって最重要の課題のはずだ。