反則!?

 

 人類の星の時間の凍えたり

社内真ん中に据えられている
楠(くすのき)のテーブルを取り囲み、
近くで揃えたお惣菜をつまみ、
いただいた日本酒やワインに舌鼓を打っては、
正月どうやって過ごしたか、
また今年の抱負などを順繰りに話していきます。
弊社の新年会は、いつもそんな風です。
そのときの編集長ナイ2くんの話なのですが、
年末、妹さんから「ひろー(ナイ2くんの名前はひろし。
だから、ひろー。ちなみに、わたしはその真似がひどく上手い!
その真似があまりに上手すぎてナイ2くんは嫌がりますが。
それはともかく)去年一年間で何冊本を読んだ?」
ナイ2くん、読んだ本の冊数を答えたそうです。
すると、「わたしは96冊」と妹さん。
子育てをしながら月~金で働き、
よくそんなに読めるなとナイ2くんが感心すると、
休み時間とか寝る前とかに読んでいるのだと答えたそうです。
お兄ちゃんとしては負けられないと思ったようですが、
その話を聞きながら、わたしも驚きました。
年に96冊ということは月に8冊、週に2冊、三日で1冊ペースです。
すごい!!
その話を聞いてから、
なんだかそのことが気にかかり、
いろいろ考えていて、
はたと、いいことに気がつきました。
弊社の編集者は、一年間にほぼ10冊本を作ります。
ということは、10冊は必ず読むことになります。
しかも二度三度。
そうだそうだ、それも読んだ内だ。
それをナイ2くんに話しました。
するとナイ2くん、
「それって反則じゃないですか?」と言うから、
わたしは、反則じゃないよ役得だよ、
と答えました。
ぜひそのことを妹さんに話して欲しいと思います。
きっと妹さん、
「ひろー。それ反則だよ」と言うでしょう。
その言う様がありありと想像でき、
また真似したくなりました。

 眠たさや寒板張り付き偏頭痛

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最終講義

 

 ムシャクシャを抱きて歩く道寒し

お世話になっている先生から最終講義のご案内をいただき、
日本女子大学に行ってまいりました。
大教室にざっと百五十人ほどがいましたが、
男はわたしとテラチーと大学の先生でしょうか、三人のみ。
文学研究入門と題された講義で、
世界がグローバルに捉えられるようになった現在、
文学は、世界文学として人間を把握することに
ますますなっているという刺激的な内容で、
面白く拝聴しました。
椅子に座って講義を聴くというのを何十年ぶりかで体験し、
お尻がむず痒くもなりましたが、
久しぶりの愉しい時間を過ごしました。

 凍りつく心に絵文字の輝けり

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内外文字印刷

 

 朝まだきゴミかと紛ふ冬の蜘蛛

『父のふるさと秋田往来』を印刷してくださった
内外文字印刷の小林社長から電話をいただきました。
いわく、
共同通信社社会部デスクの石坂仁さんが、
昨年暮れに取材してくれた記事の掲載紙を送ってくださった。
本来なら自分で電話してお礼を伝えるべきところ、
泣けて言葉にならないので、
頼んで申し訳ないけれど、
くれぐれもよろしくと伝えて欲しい…。
そのことをわたしに話すのでさえ、
小林社長はやっとのようです。
心中察するに、
お気持ちは痛いほど伝わってきます。
受話器を置いたあと、すぐに石坂さんに電話。
石坂さんが書いた記事は岐阜新聞、
岩手日報、高知新聞などに掲載されました。
ご夫婦で写っている写真がありますが、
取材の折、石坂さんが奥様に、
もう少し明るい色のものに替えてもらえないかと頼み、
写真のセーターになったのだとか。
小林社長はそのことも、よほど嬉しかったようです。

 寒空を割きて飛びゆく烏かな

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グランブルー

 

 秋田駅コンクリートの凍てつけり

保土ヶ谷で会社を起こしてからときどき、
駅近くのコットンクラブへ行くようになり、
そこで渡辺泰義さんを知りました。
同年齢ということもあり、すぐに意気投合し、
以来、友だちづきあいをしています。
神奈川新聞の「自転車記者が行く」を担当している
佐藤将人さんに話したところ、
興味を持ってくださり、
二人で渡辺さんのお店「グランブルー」を訪ねました。
そのときのインタビューが、
大晦日の神奈川新聞に掲載されました。
昨日、
グランブルーの前を通ると、
定休日で店は閉まっていましたが、
それから数歩歩いたところで偶然渡辺さんとすれ違いました。
しばらく立ち話。
記事掲載を共に喜び合いました。
記事の切り抜きを入れる額を買いに行くところでした。

 父母が居て無音の年の暮れてゆき

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不良品!?

 

 初夢やグラデーションの対ひ岸

現在使用中のケータイが、
電波事情が2012年から変るため使えなくなる、
よって機種の変更をすべしとの案内を受け、
しょうがないな、
溜まったポイントで買い換えるか、
ということで、
EXILIMケータイCA005に換えました。
前に持っていたのと同じメーカーですが、
三年も経っていますから、
デザインも機能も充実しています。
そこはかとなく嬉しいのですが、
年末帰省した折持参して驚きました。
二日ぐらいで電池が切れてしまいます。
おかしいな、
そんなに使っていないのに!?
やむなく充電。
すると、また二日ぐらいして電池切れ。
これはもう絶対おかしい!
昨日、
ケータイを買った店に鼻息荒く行ってきました。
買って早々こんなにブチブチ切れるのは、
おかしいじゃねーか。
新品と取っ替えてくれよ!
ちょっとお見せください。
……………。
ご購入の際に説明不足だったかも分かりませんが、
電池の大きさがあまり変らないのに、
機能が格段に充実したため、
電池のモチが格段に低下しました。
特定の機種や商品に限らず、
一般的に充電の頻度が上がり、
買ったばかりなのにおかしいじゃないかと
持ち込まれる方が多くございます。
お客様の場合も、
その類かと思われます。
ご納得いただけましたでしょうか。
ふ~ん。
じゃあ、しゃあないか…。
とは言ったものの、
なんかしっくり来ない。
だって、
電話とメールとメモ機能しか使わない身にしてみれば、
他の機能なんてまさに無用の長物!
ゲームもやらない。テレビも見ない。
ゴミみたいなちっちゃな絵文字も要らない。
あ~あ。
だったら、簡単ケータイにしておくんだったよ。
でもなあ、
それはそれでジーさんっぽいしなあ。
なんか、しっくりしないよなあ。

 i2乗触れたる果ての雪や降る

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新文化

 

 山眠り子等の声して眼閉づ

業界紙「新文化」に
『父のふるさと 秋田往来』が紹介されました。
書いてくださったのは、冨田薫さん。
薫と書いて「たぎる」と読みます。
10月に秋田で行われた読書推進フォーラムに車で駆けつけ、
その日のうちに東京に帰り記事を書いてくれたのも彼です。
情熱を持って仕事に取り組んでおられます。
電子書籍元年と騒がれ、
浮き足立った感のある出版界ですが、
個人的には、
自分の足場を固めることの大切さを感じた年でもありました。
弊社は、明日から来年1月5日までが冬休み。
6日から通常業務となります。
皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。

 貝の足ぬたりぬらりと年惜しむ

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ある決心

 

 悴みて箸につるりとナメコ汁

「お客さまが現在ご利用中のケータイ電話は、
2012年7月までに切替予定の新たな周波数ではご利用が出来なくなります」
という案内が届き、
これを機に機種変更をしてきました。
ポイントが溜まっていたので、
それを使い、現金は無くて済みました。
前のに比べると、いろんな機能が充実しており、
特に、方向音痴のわたしには、
ナビウォークという垂涎の機能も付加されていましたが、
我慢して使わないようにしようと思います。
方向音痴と物忘れの激しさは、
大げさに言えば、
わたしという人間の根幹に関わる問題だからです。
十代で彼女にふられたとき、
公衆電話の台に買ったばかりの裾上げしたズボンを忘れ、
忘れたことに気づいて急いで戻ったときには最早そこに無く、
とぼとぼ歩いたあのときの気分は、
きっと何かの肥やしになって、
その後のわたしを形成したような気がします。
なので、
便利さの象徴であるケータイ電話を、
ケータイ電話の便利な機能を、
なるべく使わないようにしようと決心しました。

 冬の雲人嫌いしてカフカかな

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