二度見三度見

 

おとといだったか。何気なく外に目をやると、
鉄塔をむすんでいる高所の電線になにか止まっているように見えます。
さいしょは烏かと思いました。
いや、ちがう。
ならば、なんだ?
黒いビニール袋が風に吹き上げられた?
いや、ちがう。
ならば。
しばらく視線を逸らさずに眺めていました。
あ!
ひ、ひ、ひと!!
籠のようなるものを足にぶら下げ作業しながら移動しているではありませんか。
目が覚めた。
へ~。
いっやぁ、すごい!
高所恐怖症のおいらにはぜったい無理!
きのう、ふたたび。
こんどは鉄塔の上でなにやら作業。
向こうの丘の鉄塔を見やれば、
ひとり、いや、
ふたりの人間が立って作業をしています。
自分たちの縄張りに入って来るなとでもいうように、
烏が二羽、何度も近寄り、
縦に斜めにギャーギャー喚いています。
二十年以上ここに住んでいますが、はじめて見ました。
狸を見たとき以上に驚いた。

 

・蟻を避け進む径のくねりをり  野衾