藤沢周平とEW&F

 

秋田から二日遅れで届く新聞を見ていましたら、
五ページ目に
「「藤沢文学」思い伝えたい」
の大きな文字。
作家藤沢周平の娘で、
エッセイストの遠藤展子(のぶこ)さんが萬年橋にたたずむ写真とともに。
文章は、共同通信の志田勉さん。
写真は、京極恒太さん。
わたしは、
いくつか短編を読んだくらいで、
藤沢周平の熱心なファンではありませんが、
藤沢さんが「生き様」という言葉をひどく嫌っていた
ということを何かで読み、
ことばを大事にする人であると感じ、
いい印象を持ちつづけています。
記事の文章は、
父と娘の情のかよい合いをほのぼのと感じさせるものですが、
文中、へ~と、
おもしろいエピソードが紹介されていました。
「展子は高校生の頃、
自宅で米国のバンド「アース・ウインド&ファイアー」の曲を聞いていた。
突然、部屋の扉が開く。父だった。
展子に「その曲、何? なかなかいい曲だな」と聞いた。
展子はうれしくなって、曲をカセットテープにダビングして手渡した」
藤沢周平とアース・ウインド&ファイアー、
とりあわせの妙。
アース・ウインド&ファイアーのなんの曲だったんだろう?
『蟬しぐれ』の作家は、
耳もよかったということでしょうか。

 

・日曜出勤帰宅途中草餅買ふ  野衾