うれしきこと

 

学問の世界は、温故知新の精神が重要ですが、
その成果としての学術書には多くの注が施されるのがふつうです。
昨年六月に名古屋大学出版会から刊行された
チャールズ・テイラーの『世俗の時代 上』(千葉眞[監訳])
を読んでいましたら、
『ウォールデン』あるいは『森の生活』で有名なソローの文章が引用されており、
その文言がわたしの記憶に触れるところがありまして、
急いで巻末の注を見たところ、
2005年に弊社が刊行した大西直樹訳の『ウォーキング』
が挙げられていました。
手元にあった『ウォーキング』の該当ページをひらくと、
たしかにその箇所からの引用であることが分かります。
学問の積み上げの営みに参加できたことをうれしく思います。

 

・大蟻や所期の目的忘れたか  野衾