擂り鉢や山芋すりすり痒くりな
山芋を擂って痒くなるのは、シュウ酸カルシウムの針状結晶だとかいうものだそうで、知りませんでした。山芋の皮の部分に多くあるらしく、擂っているうちに、その針状結晶が皮膚に刺さって痒くなるのだとか。
ところでこのシュウ酸カルシウム、尿管結石、腎臓結石の原因物質でもあるそうです。
秋田の父は、かつて尿管結石で入院したことがあります。
父は、結石を振って落とそうと考え、病院の屋上でピョンピョンピョンピョン跳ねたそうです。ところが、頑固な結石はなかなか落ちてくれません。あるとき、トイレで用を足していたとき、陶器の便器にカッラーン!と何かが落ちたのだとか。覗いてみたら、小さな石。まさに、尿管結石が飛び出た瞬間でした。
とろろで、いや、ところで、とろろは父の大好物です。
鰯雲いやいや嫁にやらされて
ひかりなとダマッコ丸めて秋晴るる
夕方4時から5時くらいでしょうかね。いつも掛かっている音楽が止み、気が付けば外の工事の音が止み、電話もしばし途絶え、だれ一人話をせず、それぞれ黙々と自分の仕事に精をだしているという、そういう時間帯があります。
聞こえてくるのは、キーボードを打つ音ぐらいのものです。大げさかもしれませんが、神聖な感じさえします。
奥邃が言った「静黙」ということばを思い出しました。
擂り鉢や金融危機の秋暮るる
父に訊き母に訊きしてとろろ擂る
先日、ひかりちゃん、りなちゃんとダマッ子もちを作ったときの写真を秋田の父にメールしたら、間もなく電話が掛かってきて、
「向がって右がひかりちゃん、左がりなちゃんて書いであるども、写真が見あだらないのは、なしてだ?」と言うから、
「文章の下さ写真あるって」
「なんも、にゃよ」
「にゃはずにゃって。開いだ画面を下さスクロールしていげば見れるはずだ」
「なに? ストローレ?」
「ストローレでにゃぐ、スクロール! んにゃ、おいが悪がった。右がひかりちゃん、左がりなちゃんて書いである文章が出できたら、画面の下さ、いぢばんでっかいボダンがあるべ。そのでっかいボダンの下のどごろをポチポチポチポチ小刻みに押していぐわげさ。ポチポチって言っても、犬の名前でねーがらな。ん!? そんたらごどは分がる? あはははは…。すんません。とにかぐ、でっかいボダンの下のどごろをポチポチって小刻みに押していげば、見えでくるはずだよ」
まだまだ続いたが、濁点の多い秋田弁でのやりとりは、読むほうも書くほうも大変なので、これぐらいにしておくが、その後、父から電話が掛かってこないので、あの説明ではダメだったかと思って電話したら、見れたって言うから、苦労して説明した甲斐があった。ふ〜
叔父叔母と共にかっ込むとろろ汁
擂り鉢や山芋ダマッコ恋しかり
午後1時に来客の予定があり、早めの食事を太宗庵にて。肉うどん大盛り+餅=1010円。餅の香ばしいかほりがうどんの汁と交じり、えもいわれぬ味が口中に広がる。
社に戻ったら12時半。まだ30分あるので、近くの郵便局に行くことにした。役人どもめ、ろくでもないことばかりしくさって、腹立たしいこと限りなしだが、とりあえず今月分の年金と国民健康保険料を納めることに。
このごろは、税金を払うために、少ない給料で働いているようなもの。まったく、まったく、こんちくしょうめ!! こんちくしょう!!
と、ぶりぶり歩いていたら、なんだか、もよおしてきて、バババババッと、芯を外したオートバイのマフラーのような音がした。あはははは… ざまあ見ろ!(何が?)
擂り鉢やふるさと食ぶよ神無月
径一尺すり鉢抱えお月さん
とうとう手にしました。伝統的な焼き物の擂り鉢。秋田の家にあるのとおんなじ。だはははは…。これさえあれば百人力。食べたいときに、いつでもダマッコ餅でも、トトロでなくトロロでもつくれる。こんなうれしいことはありません。
土曜日さっそく、ひかりちゃんとりなちゃんでひかりなちゃんとダマッコ餅とトロロをつくりました。うめかったー!! 大満足!!
すり鉢を買って十五夜足軽き
冬鴉皮肉吐きをり木魚かな
毎週木曜日は、横浜気功教室の日なのですが、雨の日が実に多い。なんででしょうね。
わたしのなかで、連想ゲームみたいに、木曜日−気功教室−雨−傘−汗みたいになっています。
最後の汗は何かというと、荷物を持って傘を差し、鞄の中から何か取り出そうと、無理な格好をしているうちに汗がジワッと滲んでくるわけです。アレ、嫌ですね。
保土ヶ谷駅について、電車を降りた客をやり過ごし、自販機でオロナミンCを買い、ホームで一人ゆっくり飲む時間が至福です。
本をみな焼きたくなるよ秋の風
咳共に自惚れもろくも凹みけり
マイ・フェイバリトひかりなちゃんと、今度は秋田のだまっこ餅をつくろうと思い立ち、だまっこ餅ををつくるには、すり鉢が必要なので、売っていそうなスーパーマーケットに行きました。
あるにはあったのですが、ままごとでもするんかい、といったサイズで、話になりません。そこで、今も重宝している業務用の大鍋を買った「いちのや」さんに出向きました。
すでにシャッターが閉まっていましたが、看板に電話番号が書いてあったので、諦めきれないわたしは、そこに電話をしてみました。おかみさんらしき女性が電話に出られ、応対してくれました。曰く、今は置いてないけれど、問屋に電話で問い合わせてみましょう。いつお使いですか? そうですか。早ければ明日の夕方に入ります、云々。
踏切を渡り、保土ヶ谷橋の交差点を過ぎた頃、ケータイ電話が鳴りました。いちのやのおかみさんからです。
…直径30センチまでのすり鉢は、焼きの工程で割れることがほとんど無いため、値段も手ごろだが、それ以上となると、割れる率が増し、値段も比例して高くなる。直径30センチのが4100円なのに、直径36センチだと11000円、直径39センチだと16000円…。
直径30センチのを頼みました。家に帰って、念のため秋田に電話をし、実家にある物を確かめてもらったら30センチとのこと。ホッとしました。
すり鉢があれば、好きなときにだまっこ餅が食べれるし、だけでなく、とろろ汁も出来る! たのしみたのしみ。いひひひひ…