奥邃を語りて黙す月夜かな
今回のテーマは「新井奥邃と公共人間」。昨年コール・ダニエル先生から電話をいただき、発題者になって欲しいということだったので、お引きうけした。提示されたタイトルは、「新井奥邃著作集と出版のこころざし」。変えてもよかったわけだが(実際、変えたが)結局、元に戻してそのままのタイトルでいくことにした。
三日間、朝9時から夕方6時まで缶詰状態での発題と質疑討論。どなたかおっしゃっていたが、討論が充実し、これほど面白いシンポジウムはなかなか無いのでは、と思った。
場所はなんと、ホテルサンルートプラザ新宿。「なんと」と言ったのは、「春風目録新聞」第2号「思想の場所」に中島岳志さんが書いているあのホテルサンルートプラザ新宿だからだ。
ここに大川周明、さらに北一輝が住んでいたのか…。その場所で、公開共楽を目指すフォーラムが開かれ、韓国人の金泰昌氏をリーダーとする集まりで新井奥邃が取り上げられるということに、不思議な縁(えにし)を感じた。
ビル点点車窓の月の濡れてをり