秋の蚊や腕にひょんひょん中華そば
夕食後、背もたれのない椅子に座ろうとしたら、後ろにでんぐり返り、額の右側を机の角にしこたまぶつけてしまいました。後ろにひっくり返ったのに、後頭部ではなく、額というのは不思議です。咄嗟に体を捻じ曲げたのかもしれません。
後ろにひっくり返っていく瞬間の、宙に浮いたようなあの真空状態を、子どもの頃から何度か体験してきたように思います。
カッターを滑らし、右手人差し指の付け根を深く切ったときも、前の会社で鴨居に頭をぶつけ救急車で運ばれたときも、三年前に鎖骨を折ったときも、怪我をする瞬間の息を呑むような真空状態で、わたしは、何か他のちからによって助けられました。
ご先祖さまか、お天道様か、はたまたもっとほかのなにかか…。とにかく、わたしは自分を守ることさえ容易にできません。ありがたいことです。