メール

 賛否両論かまびすしいが、わたしはメール賛成派。仕事は別にして個人的にあまり利用しないし、もらうこともそれほど多くない。そんなふうだから、たまにメール着信の記号が画面に現れていたりすると、喜び勇んで開ける。行き付けの店のメールマガジンだったりするとがっかりする。
 出版人としては、たとえメールの文章でも推敲に推敲を重ね、なおかつ気の利いたワンフレーズでも差し挟もうと邪心が湧くものだから、なかなか送信ボタンを押せないで画面を睨みつけることがしばしばだ。そういう時に限って、電話がかかってくる。あわててボタン操作をするものだから、間違えて、推敲に推敲を重ね、今一歩のところで送信という寸前までいっていた苦労があっさり水泡と化す。あれは、相当こたえる。
 なんということのない簡単な操作で、落ち着いてうまくいくこともあるが、学習が身に付かず、やっぱりあわてて電話に出てしまい、作りかけの文章を消去してしまうミスをなかなか無くせない。