ヒート

 家に帰ってテレビをつけたら『ヒート』をやっていた。強盗団のボス役がロバート・デ・ニーロ、追いかける刑事役がアル・パチーノ。豪華二大スター競演ということで、かつて面白く観た映画。
 いつもならゴロリと横になりバラエティー番組を呆けて見るところ、ついついチャンネルを変えてしまう。デ・ニーロもアル・パチーノも脂が乗りきってかっこいいものなぁ。頭脳戦。恋も絡んでク〜ッてか。デ・ニーロの表情とクールさがたけしと重なって見えてしまうのはなぜなのか。
 それはともかく、この映画、ついチャンネルを合わせてしまった本当の理由は、藤原紀香よりも吉岡美穂よりも好きなアシュレイ・ジャッドが出ているからだ。恋人が強盗団のメンバーで、警官たちがアシュレイ・ジャッドの待つ自宅を張り込んでいるところへ、恋人役の男がそれと知らずにクルマで向かう。外の警官から連絡を受けた刑事がアシュレイ・ジャッドにベランダに立つように指示。恋人かどうかを見極めさせる。何も知らずにクルマを停め、ドアを開け笑顔でベランダの恋人を見遣る。その時だ。アシュレイ・ジャッドは無表情に、手摺りにかけた手を左右に滑らせることで、来てはいけないと合図する。あの愁いを帯びた表情。たまりません! 男はクルマに戻り、もと来た道を何事もなかったように引き返す。途中、警官に呼び止められ免許証の提示を要求させられるも、足が付かないようにそこはちゃんと変えてある…。その数分のアシュレイ・ジャッドにぞっこん。