山菜

 横浜で秋田の山菜を食べられるとは思わなかった。帰宅途中によく立ち寄る小料理千成のオヤジさんが、わたしが秋田出身であることを知っていて、市場にほんの少量出ていたのを見つけ、仕入れてきてくれたのだ。シドケというこの山菜、地元では春の山菜の王様ということになっている。アイノコという山菜もあり、これが一番と思っていたのだが、親に確認したところ、シドケが一番だと教えられた。味と稀少性によるものだろうが、ともかく、おひたしにして花鰹を少々振りかけ、醤油を数滴垂らすだけで山の幸を堪能できる。少し苦味のあるところが山菜ならでは。