横浜市中央図書館から野毛坂に向かい、すぐ右手の小路を入っていくと、あの藤原紀香も食べに来たという清泉がある。鰻が旨い。昨年の秋頃だったか、いつもの三人で行ったとき、女将さんが出てきて、旦那さんが急に倒れられ店は休み、代りの者に鰻を焼いてもらうことにしていると聞いた。それからしばらく行っていなかったが、昨日、久しぶりに行ってみようということになった。
 けっこう混んでいて、わたしたちは開いているテーブルに着き鰻丼三つ頼んだ。厨房のほうを見遣ると、旦那さんが鰻を焼いている。やがて出てきた鰻丼の蓋を取るのももどかしく、山椒をたっぷりと振りかけてから鰻を箸で切り分け口中に放りこむ。美味い! この味この味。老舗の味とでもいうのか、久方ぶりの鰻丼を堪能。肝吸いもすっきりさっぱりしていて言うことなし。