仕事の縁

 秋田の有力紙『秋田魁新報』の取材を受け、首都圏で働く人を紹介する「秋田人」というコーナーに取り上げられたことがきっかけで、記事を読んだ大学の先生から本を出したいとの連絡が会社にあったという。ちょうど出掛けていた時で、営業の奥山が電話を取った。どこで縁が結ばれるか分からない。来月原稿を持って来社する予定。ありがたい話だ。
 午後、『刺青墨譜』に収録する写真を撮らせてもらったNさんが妹さんと一緒に来社。本の出来具合をとても喜んでいただき、仕事場近くの掲示板に本のポスターを貼ってくださるというので、数枚出力して差し上げた。ありがたい。
 ありがたいありがたいで仕事をするのが一番。きのうは一日ありがたいに満たされていた。夕刻、椅子を回転させたら空が夕陽で真っ赤に染まっていたから「すげーすげー、みんな見てみろよ!」と叫びベランダに飛び出した。富士山の右肩にかかった夕陽が刻一刻と滑り始め、とちょうどそのとき、鴉が2羽、西の空を渡って行った。社員一同、ベランダに並んで「ほう」と溜め息。こうやって仕事が終わるのもありがたい。