朝の帝王

 薪能(たきぎのう)を観に、新幹線で移動中、何の話からそうなったのか、隣りに座っている石橋から、夜の帝王だったのに、すっかり朝の帝王になったわね、の指摘を受けた。帝王って、あぁた!?
 帝王だったことなんてなかったはずだが、前に勤めていた会社では、社長の付き人みたく夜もほとんど毎日のように出歩いていたわけで、そんな風に見られていたとしても仕方のないことではある。会社を起こしてからは、やる気充実、たのしさ全開で毎日飲んでいた。必然、夜が遅くなる。
 ところが最近、本を読んだり医者の意見を聞くにつけ、健康が大事と思うようになり、食事は腹八分目、万歩計を付けて朝会社まで歩くようになった。そのことを踏まえての石橋の意見だったわけだ。帝王はともかくとして、意識が夜に向いていたのが朝に向くようになったのは事実だ。