地鎮祭

 次号「春風倶楽部」特集のテーマは「横浜」。昨日、谷川俊太郎さんから第一番に原稿が届き、ワクワクドキドキしながら瞬きせずに最後まで読みきった。編集者として至福の時間。ありがてぇ〜!! さっそくお礼の電話をする。
 今回このようなテーマにしたのには訳がある。土地に対するイメージというのがそれぞれあるけれど、横浜に対して皆さんどのようなイメージを持っておられるのか、聞いてみたくなった。
 会社創業の折、横浜を拠点にしたのは何がなんでも横浜、というわけではなく、おカネも無いからとりあえず横浜で、という具合で、横浜に対して、はなはだ失礼な心意気であったかもしれない。ところが、おかげさまで会社が少しずつ大きくなり、気がつけば五周年が過ぎ六年目に入っている。ここらへんで襟を正し地鎮祭を執り行う必要がありはしないかと思ったのだ。
 新井奥邃が二十八年に及ぶアメリカ生活に見切りをつけ日本に戻り最初に踏んだ地がここ横浜だった。かつて『奥邃廣録』を編集した新井の高弟・永島忠重は、オフコースの小田和正の出身地でもある金沢文庫に住んでいた。いま我らが武家屋敷が住んでいる。人と土地に感謝し、風を受け、横浜ならではの出版社と呼ばれるようになりたい。
 谷川さんからお寄せいただいたエッセイのタイトルは「横浜さん」。新しい目録「学問人」もできてきた。よ〜っし!!