子どものころ、親戚に遊びにいき泊まったことも、割と記憶に残っています。
まずは母の実家。
秋田県羽白目(はじろめ)にあり、
父が自家用車を持つようになってからは、車で行きましたが、
それ以前は、大久保駅まで汽車で行き、
そこから四人でバスに乗り、もよりの停留所で降りました。
停留所から母の実家までは徒歩。
歩いて五分とかかりません。
わたしと弟はまだ小さかったので、五分ぐらい、かかったかもしれません。
母の父も母もいて、母の姉妹が嫁いださきの家族も遊びに来ていたり、
それはにぎやかなものでした。
子どもは子ども同士で遊び、夕食ともなれば、
おとなの席に混じって、
おなかをふくらませたものでした。
おとなたちの時間はさらにつづくようでしたが、
子どもは、おとなのように起きているわけにはいかず、
早めにふとんにもぐります。
わたしの実家である父の家になくて、母の実家にあって目を引かれたのが、
天井と鴨井のあいだにある欄間の彫刻でした。
ふとんのなかでしばらくは、横にいる弟と話をするのですが、
そんなに長くはつづきません。
と、
目に入るのが欄間の彫刻。欄間という名称も、知る由がありません。
唐草模様だったり、龍だったり、
そんなものが彫られていたんじゃなかったでしょうか。
目で追って、
飽きてきたら、こんどは天井板の木目の縞。
たのしかった一日のこうふんは、なかなか眠りに就かせてくれません。
そんなことも、いまとなっては、いい思い出です。
・金兵衛の畑より俄かの雲雀 野衾