さまざまのこと 13
子どものころ、親戚に遊びにいき泊まったことも、割と記憶に残っています。
まずは母の実家。
秋田県羽白目(はじろめ)にあり、
父が自家用車を持つようになってからは、車で行きましたが、
それ以前は、大久保駅まで汽車で行き、
そこから四人でバスに乗り、もよりの停留所で降りました。
停留所から母の実家までは徒歩。
歩いて五分とかかりません。
わたしと弟はまだ小さかったので、五分ぐらい、かかったかもしれません。
母の父も母もいて、母の姉妹が嫁いださきの家族も遊びに来ていたり、
それはにぎやかなものでした。
子どもは子ども同士で遊び、夕食ともなれば、
おとなの席に混じって、
おなかをふくらませたものでした。
おとなたちの時間はさらにつづくようでしたが、
子どもは、おとなのように起きているわけにはいかず、
早めにふとんにもぐります。
わたしの実家である父の家になくて、母の実家にあって目を引かれたのが、
天井と鴨井のあいだにある欄間の彫刻でした。
ふとんのなかでしばらくは、横にいる弟と話をするのですが、
そんなに長くはつづきません。
と、
目に入るのが欄間の彫刻。欄間という名称も、知る由がありません。
唐草模様だったり、龍だったり、
そんなものが彫られていたんじゃなかったでしょうか。
目で追って、
飽きてきたら、こんどは天井板の木目の縞。
たのしかった一日のこうふんは、なかなか眠りに就かせてくれません。
そんなことも、いまとなっては、いい思い出です。
・金兵衛の畑より俄かの雲雀 野衾