塩鮭の塩を抜くには

 

以前、東京で会社勤めをしていたころ、
教育者として著名な大村はまさんと幾度かお目にかかり、いろいろお話を伺ったことがあります。
赤羽にある居酒屋でのことだったと思いますが、
どういう話の流れから
かは忘れてしまいましたが、
「三浦さん、塩鮭の塩を抜くやり方を知っていますか?」
と訊かれたことがありました。
「いえ。知りません」
すると、
大村さん曰く、
塩鮭の塩を抜くには、真水でも抜けますが、旨味を逃がさぬように塩を抜くには、
迎え塩といって、適度な濃度の食塩水に入れて抜くとよい。
それと同じように、
悲しいこころでいるときに、
華やいだ場所で癒されることは少ないのではないでしょうか。
じぶんの経験からすると、
寒い季節に、
日本海側を鈍行列車に乗って、どんよりした空の下をゆっくり旅しながら、
だんだんと癒された、
ということがありました……。
そういう主旨のお話だったと思いますが、
ときどきそのことを思い出し、
そんな時に効く、
いや、
そんなときに聴くCDがあります。
『the Pearl HAROLD BUDD/BRIAN ENO with DANIEL LANOIS』
きのうの夕刻、
こころが疲れ、すこし澱んできたかな、
そんな気がして、
そうだ! と思い、
やはりこのCDを、ボリュームをあまりあげずに聴いていました。

 

・病院の上より叫ぶ鬼は外  野衾