悪口を聞かない

 

あなたが「だれをもそしら」ない〔テト三2〕と決断したのならば、
もう一つの教えを学びなさい。
それは「だれの悪口も聞くな」ということです。
もし聞き手がいなければだれも語りません。
盗品を受け取る者も強盗と同じように悪いのです。
それゆえに、
あなたが聞くことによって、
だれかが悪口を語るならば即座にそれをさえぎりなさい。
そして聞くことを拒否しなさい。
人に優しく、話す言葉も温和で、善意を告げることができる人が、
暗闇で人を刺すような真似をさせないようにしなさい。
(A.ルシー[編]坂本誠[訳]『心を新たに ウェスレーによる一日一章』
教文館、2012年、p.317)

 

著名な作家(タレント? 脚本家?)が、
悪口ほど楽しいものはないと書いていたのをどこかで目にしたように覚えていますが、
功成り名を遂げた人がそういう類のことを言ったり、書いたりするのは、
「赤信号みんなで渡れば怖くない」式で、
ちょっとウケるのかもしれない。
しかし、
本心からそう思っているかどうかは、判りません。
タレントの藤田ニコルさんのコメントを
今月14日に、この欄で紹介しましたが、
藤田さんは、人の悪口を言わないだけでなく、
悪口を聞かないようにしている、
とのことでした。
悪口をつい口にしてしまうことがありますが、
後味のいいものではありません。
むしろ、
それを口にしたことを後悔することのほうが多い。
なので「楽しい」というのはウソだと思います。
また悪口を聞くことに関して、ウェスレーのことばは刺さります。

 

・蒔くことも刈ることもせず秋日和  野衾