二か月ぐらい前でしょうか、電気工事の作業員らしき人が、
我が家の近くの電柱に登っていました。
何をしているんだろうと訝しく思い、
しばらく眺めていましたら、
電線に籠をぶら下げ
空中のゴンドラよろしくそろりそろり移動しながら、
二日間にわたり何やら取付工事をしておりました。
あとで見上げてみると、
となり合う電線と電線に、白いひも状のものがつながれてあり。
以来、
なんとなく、
丘の上のこの部屋から、
ぼんやり眺めることが多くなりました。
くねくねと、
あっちこっちに。
さいしょはなんだか違和感がありましたが、
このごろは、
それはそういうもので、
黒い電線に、
白いひも状のものがヘビのように口と尻尾を纏わりつかせているように、
んだ、見えないこともない。
時間がたてば、
もっとヘビらしく、成長するのでは、ないか、知らん。
ヘビが音符となって踊り出したりしたら、
面白いのに、
まるで谷内六郎の絵のように。
そんなことを妄想し、
ときに念じながら、
きょうの成長ぶりを見るのがこの頃の楽しみ。
・天園は一歩一歩の秋となる 野衾