Archives : 9月, 2009

風まかせ

 

 赤松や水に映りし秋の風

今日で九月が終りですが、
弊社にとっては十周年の日でもあります。
明日から十一年目に入ります。
十年間の略史みたいな本をと考え、原稿を用意しましたが、
ぎりぎり間に合いました。
編集はナイ2くん、装丁は多聞くん、装画はしりあがり寿さんです。
お世話いただいた皆様、これからご縁をいただく皆様、
これからも春風社をよろしくお願いします。

 秋風に身を焦がしつつ稲穂かな

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九年ぶりのキンキ焼き

 

 秋風や浄土を醸す金色堂

この二十七日、二十八日と社員旅行で、
東北を旅してきました。
今回は、毛越寺(もうつうじ)、中尊寺、
宮沢賢治記念館、花巻温泉をメインに、
一泊二日と短い時間でしたが、
幹事のテラチーオカチーが絶妙のスケジュールを立ててくれ、
おかげで、ゆっくりしながらも充実した旅になりました。
ところで、一ノ関の富澤さんは、
社を起こして最初の社員旅行のときに行ったお店で、
そこのキンキの塩焼きの味が忘れられず、
九年ぶりに訪れたのですが、
全員、思わず唸ったり、はしゃいだりしながら、
キンキ丸ごと一匹ずつ塩焼きを堪能しました。
編集長のナイ2いわく、
こ、こ、これは料理ではないですよ!
洋食屋をやっていた父がよく言っていたのですが、
料理というのは、それなりの素材をソースとか油とか、
もろもろを使って美味しくするもので、
最初からこんな美味しいものは、料理とは呼べないでしょう…。
なるほど。
わたしも、前に勤めていた会社の社長に同行し、
高級料亭といわれるお店で
いろいろ日本料理を食する機会がありましたが、
全国広しといえども、これほどの味はちょっとありません。
キンキだけでなく、酢の物も刺身もホタテのお吸い物もまさに絶品!
というわけで、
来年の社員旅行も東北にします。
もちろん富澤さんは外せません。外しません。
というか、一年に一度、富澤さんの料理を食するために、
東北へ足を伸ばすことにします。

 芒原時へ誘ふ阿弥陀仏

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防鴉

 

 洟啜る傍若無人の虎一匹

週に三度、管理会社から委託された女の人が
マンションを掃除しに来てくれます。
そんなに高い給料ではないはずですが、
隅から隅までよーく清めてくれます。
今度の人は良くやってくれるねーと
賞賛の声が上がっています。
玄関を出たところにゴミの集積所があり、
網が設置されていますが、
ゴミが少しでも網から外れていると、
カラスの絶好の餌食になります。
掃除のおねえさんは、
その始末もきれいにしてくれます。
これは何とかしなければと思い、
まずは、ゴミをきちんと網の中に入れることだと考え、
管理会社に頼んで、雨に濡れても大丈夫なように
貼り紙をすることにしました。

おはようございます。
網の中にきちんと入れましょう。
鴉が狙っています。

カラスを「烏」にしようか「鴉」にしようか
ちょっと迷いましたが、
あのデカい牙を連想してもらえるように、
「鴉」にしました。
なんたって、牙の鳥で「鴉」=カラスですから。

 白よりも青が身に沁むこころなり

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メアリー・ポピンズ

 

 秋寒や夜半便所へふうらふら

会社のN田さんが小学生のときに好きで好きでたまらなかった
『霧のむこうのふしぎな町』の話をN田さんから聞いているうちに、
なんだかとっても読みたくなり、
ネットで調べたら、今は新書版になっているようでしたが、
どうせなら、
N田さんが読んだという大判で読みたいものだと思い、
古本のものを注文しました。
はじめに出てくる東北弁が少し気になりましたが、
霧をぬけ町に入るや、不思議な人たちがつぎつぎと現れ、
大人のわたしでも面白く読むことができました。
作者の柏葉さんのデビュー作で、
宮崎駿監督は『千と千尋の神隠し』を作るときに
これを参考にしたそうです。
柏葉さんは小学生の頃、
『メアリー・ポピンズ』が好きだったのだとか。
近所のひかりちゃんがメアリー・ポピンズの大ファンなので、
ひかりちゃんから借りて、さっそくこちらも読みました。
なるほど、『霧のむこう~』が好きなら
『メアリー・ポピンズ』も好きになるはず(あれ、逆か…)
というのも頷けます。
わたしの場合、小学生の頃といえば、
外で遊ぶのが忙しく、
教科書以外に読んだ本といえば、
子供向けの『ファーブル昆虫記』ぐらいのもので、
本なんて一冊も読みませんでしたから、
この年になって童話を読むのはどうかとも思いますが、
面白いから、ま、いいかという気持ちです。

 哀れ蚊に腕を延べても血を吸はず

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木の机

 

 バタバタと素っ頓狂の遅れ蝉

春風社には部屋の真ん中にどでかい木のテーブルがあります。
足柄山の仏師・吉田幸蔵さんがつくってくれました。
著者との打ち合わせ、版下づくり、企画会議、昼食、飲み会等々、
多目的テーブルとして活躍してくれています。
会社に来て二年ほどは、楠のいい香りが部屋中に漂っていました。
香りはさすがに無くなりましたが、ぬくもりは無くなっていません。
無垢の木を使っていますから、年とともに艶を増しています。
来年は、社員全員の木の机が買えるように、
仕事をがんばろうと思います。
一日が終わり、ストレスを発散するために飲むビールと、
一日充実し、いい仕事ができたなあと思って飲むビールでは、
自ずと味がちがいますし酒の回りもちがいます。
集中して皆が仕事に向かう姿を見ると、
そのなかで自分も仕事ができることをありがたく思います。

 爽籟や竹林の覇者千里の虎

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。