新緑や百年の夢覚めにけり
いつものようにリモコンをカチカチやっていたら、聞き覚えのある声がながれてきた。吉行和子さん。チャンネルをそのままにしていると、顔の腫れていないお岩さんのような幽霊や内臓が飛び出した恐ろしげな人間の絵が映し出された。痛い痛い絵だ。すぐにチャンネルをかえようと思ったのだが、金縛りに遭ったみたいに、なんとなく見てしまった。
松井冬子さんという人で、画面に釘付けされるほどの超美人。東大の上野千鶴子に「絵を描いていなければどうされていましたか」と訊かれ、「自殺していたと思います」と答えていた。よくぞやってくれたなど、多くの共感をもって女性たちに迎えられているらしい。共感されるということは、今の時代をとらえているということでもあろう。
これを見たせいかどうかわからないが(たぶん、見たせいだろう)変な夢を見た。