紫煙

 カレンダーの花見て我も小りきんだ
 わたしもかつて喫っていたので、好きなタバコを食後などに喫いたい気持ちはわかる。アタマでは分かる。
 が、食べ物屋で、他の客がいることなど我関せずな無神経なツラをして、プカプカプカプカ喫っている野郎、馬鹿女どもを見ると、無性に腹が立つ。店が許しているのかもしれないが、俺が許さない。バブル期でもないのに、ばかばかばかばか喫いやがって、この馬鹿どもがっ!!
 昨日はとうとう、口を突いて出てしまった。人の迷惑をかえりみないやつらだな、ったくよー。店の手前、大声で怒鳴りはしなかったが、もう少し、他の客のことを考えられないものか。
 タバコといえば、新幹線。カメラマンの橋本さんと出張で岡山へ行った帰り、席が取れずに、喫煙車になった。なってしまった。そうしたら、われわれ以外のほとんどが、今だと言わんばかりに馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿喫いやがって、それも2、3本ならともかく、チェーンスモーキングで馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿喫いやがって、本当に馬鹿野郎なのだった。
 おいらはハンカチを口に当て横浜までずっと防毒し、橋本さんはデッキに逃げた。
 新幹線の喫煙車輛の空気は紫に変色している。ほんと。

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