5+1枚刃

 宿便がどっぷり落ちて春が行く
 わたしは、ふだんジレットの3枚刃の髭剃りを使っているのですが、替刃がそろそろなくなり、いつものスーパーに行きました。そうしたら、ジレットからなんと5枚刃の髭剃りが新しく出ていました。
 以前、ほかのメーカーから4枚刃のが出たとき、さっそく買って試してみたのですが、刃の枚数が多くなって、たしかに切れ味はシャープに、剃り心地は滑らかになっていましたが、鼻の下などが剃りにくいという難点がありました。枚数が多くなった刃というのは、ちょうど下駄の足か、赤塚不二夫描く『おそ松くん』のイヤミの出っ歯のような状態なのです。刃の枚数が多くなることは、それなりに問題点もあるのかと合点がいき、また元のジレットの3枚刃に戻しました。
 ジレットは、この問題をどう解決したか。それが+1の秘密です。
 商品についている説明(はい! わたしは、その説明を見て納得するところがあり、さっそく購入しました)によると、「替刃に隠された秘密! 替刃裏側に装着されたピンポイントトリマーであごの下、鼻の下、もみあげなどの剃りにくい個所を簡単に仕上げられます」とあります。さすがジレット!! 痒いところに、いや、剃りにくいところに刃がとどく憎いヤツ、なのであります。
 わたしは肌が弱いのか、毎日髭を剃ると、いくらていねいにやっても痛くてかないません。週に一度、ある程度伸びたときに剃ると、きれいに痛くなく剃れるのです。
 ところが先日、上田薫先生の米寿を記念するパーティーがあって、新宿まで出かけなければなりませんでした。髭を剃ってちょうど中二日、胡麻塩髭がぶつぶつと出てきたところでした。こういうときが一番みっともなく、だらしがありません。いつもなら、それを承知でさらに伸びるまで待つのですが、パーティーに不精髭で出るわけにも行かず、良い機会とばかりに、ジレットの5+1枚刃を試してみました。
 すると、どうでしょう。この長さの髭の状態でこれまで味わったことのない剃り味。しかも+1枚の刃によって、鼻の下の直角の場所もスムーズに剃り上げられているのです。素晴らしい!! 気持ちいい!!
 というわけで、長く愛用してきたジレットの3枚刃をやめ、これからは5+1枚刃で行きます。

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