Archives : 10月, 2007

俳句貯金

 鍼灸院出でてケータイ風さやか
 俳句で儲けて貯金をしているわけではありません。
 束見本(本を作るときにサイズを正確に知るための見本)を常に持ち歩き、ふっと句が湧いてきたら、さっと書き止めているわけですが、コンスタントにできるわけではありません。
 やはり休日、ふらりと散歩に出たときや電車で遠出したときなどに書き止めることが多くなります。十句、十五句。
 この日記は月曜から金曜までなので、一日三句を消費(?)するとして五日で使い切ってしまうことになります。週の途中で数句補充しなければ残高が無くなってしまうことも間々あります。俳句貯金と呼びたい所以です。
 アスファルト突き抜けなびく猫じゃらし
 遮断機や列車すれすれ猫じゃらし
*ちなみに下の写真は猫じゃらしでなく唐辛子です。

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人形顔

 角曲がりそこや賑わふ猫じゃらし
 西川史子さんというタレントがいます。史子と書いて、あやこと読むんだそうですね。
 セレブでセクシーな女医さん、というのが通り相場なようですが、つくられたキャラクターを演じている部分が多いのかもわかりません。バラエティー番組によく出ています。
 そんなことは、まあ、どうでもいいのですが、わたしはああいう顔が割りと好みです。
 ベッキーも好きです。けばい化粧をした夏川純も。顔ですよ。
 そうすると、どういうことが言えるかというと、人形顔ということばが浮かんできます。
 林晃久さんの絵を持っていますが、彼の描く絵は西川さんがモデルではないかと思えるぐらいに人形顔なのです。西川さん、もう少し太ってくれないかな。
 猫じゃらし掌中に生きてもこもこと
 上り列車カーブする間の猫じゃらし

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気功日和

 ひと嫌ひ尽きて立冬ひと恋し
 大型の台風が去り、きのうは終日秋晴れで気持ちよく、もったいないので、一人いそいそと近くの公園まで出かけ気功をやりました。ずっと眼を閉じて30分、40分。収功(気をあつめ丹田におさめる)を終え目を開くと、一瞬いろが失われ、それからパッと総天然色が甦ります。
 おじさんが2リットル入りのペットボトル2本に水を入れ立ち去りました。
 東北人たぬきのごとく寝てゐたり
 狸汁たぬきのごとき東北人

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下の下

 髪刈りて歩にリズム合う帽子かな
 ある食べ物屋さんでの話。
 美味しい和食に舌鼓を打ち、ああ腹いっぱい食べた、美味しゅうございました、ごちそうさまでした、と席を立ち勘定を済ませました。
 ふと見ると通路横の座敷に顔見知りのご夫婦が和テーブルを挟み向き合って座っておりました。お先に失礼します、と、わたしはあいさつをしました。奥さんはちょっと目礼したようでしたが、声に出すことはありませんでした。ご主人はと見ると、通路がわに足をべろりと投げ出し、家でくつろぐかのように仰向けに寝て、頭だけ壁で斜めに支え、こちらを向いているのでした。あいさつを返す風でもありません。
 べつにわたしがこのご夫婦と反目し合っているわけではありません。どの人があいさつしても、いつもこんな調子なのです。他の客がいても、だれ憚ることなく傍若無人に妻は夫をののしっています。犬も食わない言葉が飛び交います。だめですねこんなのは。
 三つの子に「あいさつしなさい」と教えている母親(最近は少なくなりました)を見かけますが、三つ子の教えが出来ていないのでしょう。よほど生まれ育ちが悪い(悪すぎ)か、プライドが高すぎ劣等感にさいなまれ捻じくれた人間かのどちらかだと思います。人を人とも思わない、あいさつもできない、表面づらは良くても心のうちで人を差別する、無神経で鈍感で非礼で何様のつもりかわからぬような人間が、わたしは嫌いです。
 刈りし草馬小屋にあふる青青と
 若き父風が眼を射す草競馬

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感じ

 だれに言ふ細胞のみ知る毒の秋
 このごろ以前勤めていた会社の社長のことを思い出すことがあります。
 会社を起こしてからずっと会っていないわけですが、好きなところもあれば嫌いなところもあったなぁと思うのは、別れた恋人を思い出すのと似ています。
 昼は会社で仕事をし、夜は夜で、夜の街を連日闊歩し社長と飲み歩き、社長も何くれとなくわたしに話してくれました。悪い気はしませんでしたネ。いろんな話を聞いて、おもしろいなぁと思っただけでなく、恥ずかしいことですが、わかった気にもなりました。ところが、いまさらですが、どんだけわかったつもりになっていたのかなと疑わしい。
 言葉の先に体験があるのかな。はたまた体験の海に言葉が浮かんでいるのか。こういった言わば感じも、理屈(言葉)で追いかけようとせずに、体験の海に今はたゆたったままがいいのかなと、これも、ただそんな感じがするだけですが…。
 討ち合わせと報告書にあり秋せわし
 ストッキング裂けて引かれて蝦蟇の口

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。