感じ

 だれに言ふ細胞のみ知る毒の秋
 このごろ以前勤めていた会社の社長のことを思い出すことがあります。
 会社を起こしてからずっと会っていないわけですが、好きなところもあれば嫌いなところもあったなぁと思うのは、別れた恋人を思い出すのと似ています。
 昼は会社で仕事をし、夜は夜で、夜の街を連日闊歩し社長と飲み歩き、社長も何くれとなくわたしに話してくれました。悪い気はしませんでしたネ。いろんな話を聞いて、おもしろいなぁと思っただけでなく、恥ずかしいことですが、わかった気にもなりました。ところが、いまさらですが、どんだけわかったつもりになっていたのかなと疑わしい。
 言葉の先に体験があるのかな。はたまた体験の海に言葉が浮かんでいるのか。こういった言わば感じも、理屈(言葉)で追いかけようとせずに、体験の海に今はたゆたったままがいいのかなと、これも、ただそんな感じがするだけですが…。
 討ち合わせと報告書にあり秋せわし
 ストッキング裂けて引かれて蝦蟇の口

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