物価の優等生

 夢覚めて光り揺れをり薄かな
 北川八郎さんの本を読んでいたら、目を疑うようなことが書いてあった。
 鶏卵が物価の優等生と呼ばれ、長期にわたって安値安定で売られていることは知っていたけれど、それを維持するために、鶏に女性ホルモンをばんばん投与しているとは知らなかった。
 そのせいで、鶏舎を営んでいる熊本のある家の娘さん(よく鶏卵を食するのだろう)が5歳で生理になったというから驚く。
 子供に限らず、ホルモンバランスがおかしくなっているのではないか。食の問題が今ほど切実で難しい時代もないのだろう。
 ゲソのごとき靴紐むすぶ階(はし)の秋
 グールドを聴いてなぐさむ爽気かな

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