GHOST WORLD

 小社の愛ちゃんが紹介していた『GHOST WORLD』を、愛ちゃんからDVDを借りて観た。高校を卒業したての親友、イーニドとレベッカが主人公で、ある日、二人がモテないレコードマニアの中年男シーモア(スティーヴ・ブシェミ)に出会うあたりから物語が動いていく。
 イーニド演じるソーラ・バーチがとても可愛く、ふくれっ面、泣いている顔、物思いに耽っている顔、いたずらっ子のような顔、どれも可愛い。いろんな顔をしながら、こころでは拠り所を探しているのだろう。シーモアに惹かれていくのも、一見ダサくても、彼がちゃんと生きているように見えたからだろうし、いつ来るとも分からないバスを待ち、いつも停留所の長椅子に座っている老人もイーニドにはちゃんとしているように見えたのだろう。
 物語の最後のほう、来ないバスを待っているだけの“呆け老人”に見えた男の前にバスが現れ、男はバスに乗り、去っていく。イーニドも、男がいた場所に佇んでいると、誰も客が乗っていないバスがやってきてそれに乗り込む。さて、どこへ向かうバスなのか。
 ということで、中年真っ盛りのわたしは、女の子って、こういうところあるなぁ、疲れんだなぁ、でも可愛いなぁと思いながら、鼻の下をビロ〜ンと伸ばし、楽しんで観た。それから、レコードマニアのシーモアも、バスを待つ老人も、ちゃんとしているようで、いくつになっても、こころの拠り所は、きっとないのだろうとも思われた。