防寒具

 社内を眺めまわしてみると、武家屋敷ノブコ、総務イトウ、そして、わたしの三人が一番寒がりで、厚手の防寒具を着て出社しているようだ。武家屋敷が金沢、イトウが青森、わたしが秋田なので、三人がいわゆる北国出身ということになる。秋田での生活を振りかえれば(今もそうだが)、室内ではガンガンにストーブを焚き、行ったことはないけれどハワイのような気分だし、いったん外出するとなれば、外気に絶対さらされぬよう、二重三重に着こむ。コートの前を開けて町を歩く、なんてことは、およそ考えられない。ファッションよりも寒さ対策が優先される。
 ところで、武家屋敷、この時期になると決まってぶくぶくの暖かそうなダウンを着こみ、太った寒スズメのような格好で出社するのだが、今年はまだ見てないな。イトウは目にも鮮やかな真っ赤なカシミヤ(だろう)のコート。