相関度

 書評と本の売れ行きに関することだ。相関関係にある、と言いたいところだが、必ずしもそうでもない。素晴らしい内容の書評が掲載され、こりゃ凄いぞ! と社内騒然と化しているにもかかわらず、その書評の効果と分かる注文が、学生服のボタンの数ほどしかないこともある。が、書評が掲載される媒体によっては、翌日から注文が殺到することもあり、この場合は確実に相関関係にあると言えるだろう。また、最近は、各書店が工夫して、書評された本の傍に店独自のポップ(丸や四角の厚紙に書評の切抜きを貼ったり、サインペンでかわゆく宣伝文句を書いたり、目立つように針金で留めたもの)を用意しているところもあり、こうなると、書評と本の売れ行きの相関度は自ずと増す。
 新聞の書評は、それが掲載される前の週にネットで分かるようになっており、たとえば○○という本の書店注文が今日はなんで多いんだ? と訝しく思っていると、書店員がネットでチェックして、注文してくるということが多いようだ。ってえことは、書評と本の売れ行きの相関度は、どれくらい以前からかはとりあえず置いといて、増加傾向にあると言っていいのかもしれない。総体として本は売れなくなっているわけだから、連携プレーが大事ということか。