博論の書籍化について

 

1999年10月1日の創業以来、
約800点の書籍を刊行してまいりましたが、
一部の一般書を除き、
ほとんどが学術書です。
そのなかには、博士論文を書籍化したものも相当数ふくまれます。
ここ数年の体験からですが、
博論の書籍化にあたり、
担当編集者としてひとつ気づいたことがありました。
それは、
論文のジャンル、テーマはいろいろでも、
なんどか精読しているうちに、
著者がどうしてそのテーマを選び研究しようとしたのか、
ひょっとしたら、
本人も気づかないことがあるのではないか。
それが行間から見えてくるような、
そんな気がしました。
たとえていえば、
テーマを追いかける言説、論考の底に、
著者の声が眠っていると。
その声が聞こえてくるような気がしたのです。
これは面白い!
文章を通じて、
著者のこころの奥に住む、いわば子どもの魂と対話する、
そんな世界が見えてきたようにも感じます。
そういう感慨をふくめ、
このたび、
「無限の声を」というタイトルでポスターを作りました。
コチラです。

 

・春晝に東圃草除(と)る農婦かな  野衾