いまNHKでは連続テレビ小説『あんぱん』をやっていて、たまに見ています。
『アンパンマン』のことは、あまり知らないのですが、
すこしは知っていて、作者のやなせたかしさんはおもしろいなぁと思い、
数年前、
『アンパンマン』の絵本や、
やなせさんが書いたエッセー集を何冊か買って手元に置いてありました。
そのなかの一冊『人生なんて夢だけど』を読んでいたら、
え、そうなの! という文言にでくわしました。
アンパンマンのお話が、子どもたちになぜ受け入れられたか。
その理由はいくつかあるにしても、
主役以外のキャラクターが鮮明に個性的なことだと自惚れもまじえて確信しています。
アメリカ映画「風と共に去りぬ」は実にキャラクターがくっきりとできている、
ひとつの模範例です。
主役のスカーレット・オハラは美人でわがままで強気で
相当いやな性格をしていますが、女優はみんなやりたがります。
アンパンマンでいえばドキンちゃんですね。
おとなしいメラニーはバタコさんで、
知的な二枚目のアシュレーはしょくぱんまんということになります。
レッド・バトラーは、
強いていえば「アンパンマンとばいきんまんを足して二で割る」でしょうか?
でも、ちょっと違いますね。
というわけで、
「風と共に去りぬ」は意識して参考にさせてもらいました。
(やなせたかし『人生なんて夢だけど』フレーベル館、2005年、pp.211-212)
『アンパンマン』と『風と共に去りぬ』。
作者のやなせさんがおっしゃっているわけだから、そうなんでしょう。
『風と共に去りぬ』の映画を若いときに観て、
その後、マーガレット・ミッチェルさんの原作も読んだけど、
まさか、
『アンパンマン』を描くときやなせさんが『風と共に去りぬ』を参考にしたなんて、
思いもしませんでした。どこでつながるのか、
分からないものですね。
・六月の朝の障子に蝶の影 野衾