わたしの住んでいるこの山の上でよく見る動物に、台湾栗鼠がいます。
忘れられないのは、
三匹が電線をつたわって追いつ追われつ走り回っていた軽業師のようなリスくんの姿。
三匹をいっしょに見たのはそのときだけですが、
一匹を見るのはけっこうあるし、二匹を見るのもたまにあります。
先日、二階の通用口から会社をでたとき、
となりの結婚式場の垣根からチョロっとリスくん這いだして、
伊勢山皇大神宮の裏参道をゆっくりかけ上っていきました。
色、大きさからして、台湾栗鼠のようでした。
電線を走るときはかなりのスピードなのに、地上ではむしろゆっくりめ。
電線上だと、はやく走らないと落ちてしまうのかな。
それはともかく。
せんだっての日曜日、いただいた下駄を履いて近くの公園まで行き、
ベンチに腰かけ休んでいたとき、
みどりの蔦がからむフェンスでなにやら動くものを発見。
見ればリスくん。あれま、ここもきみのあそび場なんだ。なんだかのんびりだね。
ひとりかい? スルスル、ツー、スルリ。
さておとといの日曜日、
朝、窓が東に向いている部屋で本を読んでいると、
視界の端を横ぎる黒い影。
あたまにのせていたメガネをかけ動くものに目をやる。
あれ、とうとうベランダにも現れたか。
手すりの外の、崖に接する30センチほどのふちをしずかに歩いていきました。
電線にくらべれば、
リスくんにしてみたら30センチの幅はさぞ大道だろう。
遊んでいるのか、エサをさがしているのか、はたまた別の目的が。
というようなわけで、
このごろよく目にするリスくんです。
・夏服や雲とあの娘と青き風 野衾