ディケンズさん、オースティンさん、チョーサーさんと、イギリスの小説を読み、
さて、つぎはドイツに行こうかな、
と思っていたのですが、
チョーサーさんの『カンタベリー物語』を読んだら、
チョーサーさんは、
ボッカッチョさんの『デカメロン』を下敷きにして『カンタベリー物語』を書いた
ということなので、
あとへ延ばさずこのタイミングで読むのがいいか
と考え直し、
平川祐弘さん訳による『デカメロン』を。
『カンタベリー物語』が「物語」といっている割に、
さいごは、
チョーサーさんの信仰告白かよ、
と思えないこともない書きっぷりで、
ああ、やっぱりそうなるかぁ、と感じました。
一方『デカメロン』。
第十日第九話でサラディンさんは出てくるわ、魔法使いは出てくるわ、
サラディンさんがかつて世話になったキリスト教の騎士を、
魔法使いにたのみ、空を飛ばせて故郷に帰す、
なんていうのは、
なんだか『千夜一夜物語』だよ。
へ~、なんていうか、
のびのびしてる。
ボッカッチョさんの父親が商人だったことも関係してるかな。
ともかく。
ダンテさんをリスペクトしているのはよく分かるけど、
ダンテさんとずいぶんと違う。
イタリアでは、もう一人、
気になる人がいるんだよなぁ。
・寄り道の味を知りたる五月かな 野衾