家でも会社でも、床に小さなゴミが落ちていると、つい拾ってしまい、
これは、わたしが善人であることの証ではなく、
ただのクセでありまして、
秋田にいる母とそっくりなのでした。
こういう類は、
けして遺伝ではない
と思うのですが、
母を見ていてそうなったのではなく、
あるとき帰省しているときに、
母の行動を見ていてハッと気がつき、
ふだん自分が行っている行為とあまりに似ていることから考えると、
遺伝ではないにしても、
遺伝的ではあるのでした。
「床に落ちているゴミを拾う」ことに加え、
このごろ気になるのが、
小さなプラスチック容器に入っているヨーグルトを食べたあとの行為でありまして。
どういうことかと言いますと、
ヨーグルトを食べた後、
容器の底に1ミリでもヨーグルトが残っていると、
「これでもか」というぐらい、
さいごの最後まで、
徹底的にすくい上げなければ気が済まないことであります。
どうも気が済まない。
それで、
ふと思い出したわけであります。
秋田の母が、
これとおんなじことをしていたな…。
これも、
遺伝ではないと思いますけれど、
遺伝的ではあります。
・いわし雲かなしさ淡く広がりぬ 野衾