家人の妹の娘Yちゃんは本好きで、
拙著『父のふるさと 秋田往来』を何度か読み、
そのことだけではないと思いますが、それも一つのきっかけだったようで、
会ったことのないわたしの両親に、
ときどき手紙を書いてくれるようになりました。
わたしの父も母も、
このごろは、
遠く離れたYちゃんから送られてくる手紙を心待ちにしている
ようなふしがあります。
そのYちゃんが、
この春高校に入学することになりました。
試験の発表前に秋田の父に手紙が届き、
その日の午後発表があって、めでたく合格したのでした。
数日措いて父はYちゃんに返事を書いたらしく、
電話でそのことを知りましたので、
なにを書いたの?
と尋ねると、
父いわく、勉強は大事だけれど、友だちをつくることが大切だと思う、
友だちがいることで学校へ行く楽しみが生まれるし、
友だちがいることが勉強の励みにもなる、
そんなふうに考える、
というようなことを書いて送ったのだとか。
父らしい心の工夫だと感じました。
・風はひそと後ろへ片栗の花 野衾