小村井

 

・世は世とて春一刻の香を焚く

写真集の表紙、表紙カバーの印刷立ち会いのため、
東武亀戸線小村井駅へ。
小村井と書いて
「おむらい」
初めて降りました。
酢を入れるとオムライス、
てか。
昭和レトロな匂いぷんぷんで、
いやあ、
こころ晴れ晴れ。
天気もいいし。
待ち合わせ時刻より20分早く着いたので、
駅の周辺をぷらぷらと。
踏み切りの角にある交番のおまわりさんがこちらを見ています。
かまわず、
ぷらぷらぷらぷら。
ぷらぷら。
びっくりそば。
「当店は、本年一月三十一日をもって閉店と致します。
長らくのご愛顧ありがとうございました。  店主」
の貼り紙。
どれだけつづいたのでしょう。
メニューの看板は張り出されたまま。
かけそば二六〇円は安い!
と。
また、
ぷらぷらぷらぷら。
駅のほうへもどって。
おまわりさんと目が合った。
かまうもんか。
ん。
ラメ入り黒いストッキングの姐さん。
カンカンカンカンカンカン…。
間に合うか間に合わないか間に合うか、間に合うか、間…、
間に合った!
「おはようございます」
「あ。お、はようございます」
装丁家の桂川さんでした。

・妖しくて鼻が眼となる春の宵  野衾