Archives : 4月, 2016

蛾君

 

・葉桜や出勤前のひとりをり

朝、家をでてドアに鍵をかけようとしたら、
すぐ横の壁に、
茶色い蓑虫のようなる、
ゴミか
とも一瞬思いましたが、
小さな蛾が居りました。
ブチッとやるのもはばかられ、
そのうち飛んでいくだろうと思って、
触れもせず。
一日、
ああでこうで
ああでこうでああでこうでして、
夜、
八時過ぎに家に着き、
家人きょうは和コーデの日、
ドアの鍵穴に鍵を差そうとしたところ、
あら、
けさの蛾君ではありませんか。
まったく同じ場所に身じろぎもせずに。
へ~。
居たの?
あれからずっと?
なにしてた?
ちょっと感動。
で、
指でチョイ。
あ、
驚いたかっ!
勢いよく飛んで
ひとつ舞いふたつ舞いしてみっつよつ。
天井の灯りへと。
分からないけどよかった。

・葉桜やかつて暫しも立ち止まらず  野衾

目に涙

 

・図書館を埋め尽くしてのつつじかな

企画の話で日キ販に行きまして、
いろいろ見せてもらった中からイシバシは、
ドン・ボスコ社からでている
『こどものいのりシリーズ』4冊を購入。
「いちにちのいのり」
「おしょくじのいのり」
「かんしゃのいのり」
「おやすみまえのいのり」
一冊の本体が380円、
手の形をしたかわいい絵本です。
打ち合わせ終って、
ビルのとなりの新教出版社へ。
旧知の仲の小林望社長へあいさつ。
社長室に招かれしばし歓談。
イシバシ何を思ったか、
買ってきたばかりの絵本を小林社長に示し、
開いたページをおもむろに読み始め
たら、
みるみる
目に大粒の涙を溜め、
泣き出してしまいました。
忙しく立ち働いているうちに、
感謝の心を忘れてしまっていたと。
その姿を見ていて
あ~らら、
こっちまでもらい泣きしてしまったよ。
おれは涙もろいんだよ。
「ことばに出合ったのですね、
わたしたちはスレてしまってなかなかそう思えない。
今ハッとさせられました。
ドン・ボスコの方が聞かれたら
どんなに喜ぶことか」
と小林社長。
ああビックリした。

・母のあとを子はぷらぷらと春の空  野衾

気分連休

 

・ゆく春を野良猫すたと見上げたり

トップページにも記載しましたが、
弊社は、
今月29日から来月8日まで
休みになります。
二日と六日をならして十日間としました。
したがいまして、
猿馬よろしく気分は早連休。
秋田へ帰ったら何するか、
どこ行くか、
何食べようか、だれと会うか、
寝て八日。
ハハ。
なのですが、
仕事はそうそう楽でなく、
大事な判断を迫られる
場面もありまして。
考えられる変数をすべて頭に入力し、
関数計算が滞らぬよう
緊張している今日この頃。
計算スピードは
年々衰えますが、
つたない経験が
ほどよく潤滑油でありまして、
ありがとさん。
さてきょうは飯田橋まで直行です。

・線でなく点がふくらむ春がゆく  野衾

メンマ

 

・華やぎて深窓に充つつつじかな

ラーメンをつくるときは、
中華街の具材屋さんから台湾製の塩漬けメンマ1kgを仕入れてきます。
今はもっぱら、
勤め先が近い家人に買ってきてもらいます。
味付けされたパックのメンマも
今どきスーパーで簡単に手に入りますが、
面倒でも、
強烈に塩漬けされた本場のものから手を加えると、
シャキシャキッとした、
歯ごたえ十分の
おいしいメンマが出来ます。
本来なら、
一週間ほどかけて塩抜きすると
何かで読んだ記憶がありますが、
ほかに仕事があるので、
それはさすがに無理だから、
熱湯を使っての簡便法で塩を抜きます。
先年亡くなった工藤正三先生に教わりました。
メンマに包丁で刻みを入れ、
細かくちぎってから大なべに熱湯を用意し、
五回塩抜きを行います。
工藤先生は三回でやっていました。
このとき大事なのは、
五回とも、
熱湯になってからメンマを投入すること。
そうしないと、
せっかくのメンマの旨みが飛んでしまうからです。
ここまでに約三時間。
それからいよいよスープづくり。

・読むでなく読まずでなきや春うらら  野衾

風林

 

・風林に鶯鳴けり旅の床

風林といえば、
すぐに思い出すのは信玄の風林火山で、
はやきこと風の如く、
しずかなること林の如く
の風・林ですが、
杜甫の詩に出てくる風林は、
それとは別であることを
吉川幸次郎の本を読んでいて知りました。
杜甫が風林というときは、
風がらみの林、
風をはらむ林
というわけで、
景がぐっと切迫してきます。
風がらみの池、淵だと風潭、
これも杜甫独特の用法のようです。

・一日の苦労一日春の宵  野衾

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。