キーンさんの日本文学史

 

・目覚めてもきのふ起きずにけふ起きる

小西甚一さんの浩瀚な日本文藝史を読んだら、
キーンさんのも読みたくなりまして、
文庫版もあるから
車中にちょうどよく、
さて、
と思って読み始めたら、
これがおもしろいのおもしろくないの。
どっちなんだっ、
てか。
この面白さをどう喩えたらいいのか分かりません
が、
たとえば、
地球にいて地球を見るしかなかったのが、
科学が発達し、
縁あって素人が宇宙船に乗り込み、
宇宙から初めて地球を見てみた
的な面白さ
とでもいうのか。
また、
日本人は季節の移ろいを、
ほかのどの国のひとよりも敏感にとらえるのではないか
なんて言われると、
それが日本人によってだったら、
は~そうすか、
あなた世界中を回ってきたとでも言うんスか、
てなもんですが、
キーンさんからだと、
そうなんですかやっぱり、
と、
なんだか嬉しくなってしまいます。
今ではキーンさん
日本人ですが。
漢字だと鬼怒鳴門(きーん どなるど)だそう。
怒鳴ると鬼?
文庫で十八冊、
そうとう楽しめます。

・春眠の蜜なる味の夢うつつ  野衾