新井奥邃先生記念会

 

・東京の寺にキリスト奥邃忌

きのうは新井奥邃先生九十一回目の祥月命日にあたり、
十数名が集まり森巌寺に墓参、
その後、
北沢タウンホールにて記念会となりました。
写真家の橋本照嵩さん初めて参加。
驚いたのは、
奥邃の門下生の一人である原田嘉次郎氏の孫・堀内信雄さんと、
奥邃を最後まで側で世話し、
奥邃からただ一人洗礼を授かった中村木公(千代松)氏の
ひ孫・樋口扶美子さんのお二人が会にお越しくださったこと。
原田氏は牧畜家として秀でたところのあった人で、
「人類の友としての山羊」という文章もあります。
中村木公氏のひ孫にあたられる樋口さんに、
木公は、
「ぼっこう」と読むのが正しいのか、
「もっこう」と読むのが正しいのか、
ずっと気になっていたことを尋ねました。
「母の話では、おじいちゃんは『もっこう』と呼ばせていたそうです」
と教えてくださいました。
「松」の字を分解しての木に公で
みずから「木公」という号にしたわけですから、
ご遺族のお話は決定的だと思われます。
すっきりしました。
それはともかく、
堀内さんにしても樋口さんにしても、
奥邃に感応した人の息吹に直に触れるようで、
震災後の今、
本気で奥邃の文章を再読したくなりました。
奥邃は「再読無益なり」と書いていますけれど。
無視することにします。

・孫ひ孫集ひし寺の奥邃忌  野衾