東京都北区赤羽

 

・男あり女ありして五月闇

『東京都北区赤羽』は、
東京都北区赤羽を描いた
清野とおるさんの傑作漫画のタイトル。
十文字学園女子大学のゲストとして
ご登壇いただくことになっていますので、
①~⑧まで再読することにしました。
1989年から1999年までの十年間を
そこでわたしは過ごしましたし、
初めてのときは、
面白い面白いで読み終えた『東京都北区赤羽』ですが、
再読にかかってアッと驚いたのは、
①巻の最初のほうの
何でもない小さいコマですでに、
後にキーパーソンとなる二人らしき人物が、
なにげなくさりげなく
ちゃんと描かれていることです。
この漫画はほとんど実話で、
登場する人物もお店も実在していることは、
漫画を見ればすぐに分かります。
が、
あのコマに描かれた場所に、
あのときあの二人が実際にいたかとなると、
それはそうともいえない気がしますし、
むしろ、
フィクションとして、
二人をそこに描きこむことによって、
作品の厚みはさらに増していると思われます。
来週、赤羽で
事前の打ち合わせをすることになっていますから、
その辺のところを訊いてみようと思います。

・ぢくぢくと溶けて爛れて五月闇  野衾